子供でも御蔵島のドルフィンスイムは可能?

溶けるような暑い日が続く今日この頃。子供の夏休みに本格的に自分の子供に「自然」に触れて学んで欲しい。「地球環境」を意識させたい。というお父さん、お母さんも多いことでしょう。そしてきっと特別な体験をさせてあげたいと考えているはず。
そんなお父さんお母さんにおススメする、イルカと泳げる島「御蔵島」にいったときの子供とドルフィンスイムをした体験を記事にしてみました。

子供と御蔵島でドルフィンウォッチング
疎遠だった「離島」、ついに子どもと一緒に。

子育てで「旅行」と疎遠になり、近所の公園や商業施設で遊ぶことがルーティーン化する日々。気が付けば、子供もすくすく大きくなっていました。

スイミングスクールに通い、クロールをはじめ、平泳ぎやバタフライを習得した8歳になる娘とついに離島へ2人旅をすることに。プールで潜ったり、お風呂でシュノーケルの練習をした末、直近の小さな夢だった「子供と一緒にイルカと泳ぐ」という夢を叶えるため、まずは宿を予約しました。

子供と御蔵島でドルフィンウォッチング
御蔵島でドルフィンスイム!でもその前に。

なぜ、宿の予約が一番最初なのか。それは、御蔵島は宿の予約が上陸の条件。そして予約は時期によっては抽選となります。今回、幸いにも予約をとることができました。なので、船を予約する前に宿の予約がとれるかが最初の難関なのです。(御蔵島の行き方は過去記事「野生のイルカと泳ぐなら」

第2の難関は、御蔵島の低い着岸率(就航率)。御蔵島に一か所しかない港は、年間を通した客船の就航率は6割を下回ることもあるそうです。今回、台風4号が熱帯低気圧に変わり天候が荒れる中、これまた幸いにも「条件付き」で運航することに。
文字通り、雲行きの怪しい旅の始まりとなりました。

子供と御蔵島でドルフィンウォッチング
緊張もしつつ、それでも旅は…
子供と御蔵島でドルフィンウォッチング
子供と御蔵島でドルフィンウォッチング

20:30 浜松町駅から歩いて竹芝桟橋に到着。第3の難関「船酔い」には最新の注意をはらい、途中、子供用の酔い止め「アネロン」と「トラベルミン」をコンビニで購入。

21:30 乗船待合所に集合。出航30分前には酔い止めを飲み徹底的に対策。「グロッキーな記憶は残したくない!」出航前後の船内散策のみさせて「酔い」には細心の注意を払いました。

22:30 無事に出航。乗船したのは鮮やかな黄色い船「橘丸」。東京湾の美しい夜景を海上から眺めたり、レインボーブリッジをくぐったり。娘のはしゃぐ姿に一安心。しかし、湾からでればうねりも大きくなります。

23:00 就寝。なんとか3つ目の難関クリア。(※重要ポイント!出航後に子供は寝かせます。理由は後ほど。)そして4つ目の難関は、寝過ごさない事!

5:30(翌朝) 起床。寝過ごすこともなく、三宅島→6:00頃には御蔵島に無事着岸&上陸することができました。

御蔵島上陸
間髪いれずにドルフィンスイム。

上陸したその足で、今回お世話になった宿「まるい」のスタッフさんに迎えられ、送迎者で宿に。

6:30 チェックイン。部屋に荷物を置き、宿の説明とドルフィンスイム後のお風呂と着替えの準備。軽く朝食を済ませたあと、ウェットスーツなどのレンタルの試着。(※重要:子供のドルフィンスイムはお子様の体調とスタッフ・船長に相談の上参加してください。)

8:00 集合&レクチャー&出発。

ドルフィンスイムの注意点やイルカと楽しく泳ぐためのポイントの説明をスタッフさんがしてくれます。その後、車で船がある港まで移動。(※宿によっては移動してから港で説明します。)
こんな感じで上陸後は休む暇がないので、お子様連れの場合、午前からドルフィンスイムをするのであれば、船内での睡眠は必須なのです。もう一度言います!うねりが強くなる東京湾をでる前に寝ましょう!(※スマホ&ゲームは厳禁!!)

御蔵島ドルフィンウォッチング準備
緊張。興奮。はじめてのドルフィンスイム。

ウェットスーツとフィンはレンタル。娘は足のつかない場所でのシュノーケルは初めてだったので、AQAのライフジャケット(安心のキヌガワ製)を使用しました。緊張の面持ちで船に揺られながらイルカを探します。

船長さんの「来てる来てる。準備して。」とマスクを装着。
言われるがままに、少し高さのある船のヘリから恐る恐るずるりと滑り降り無事着水。子供と手をつなぎ船長の指示する場所まで泳いで向かいます。再び船長さんの声「前にいるよ!」。顔を着水、水中をのぞくと…。

初めてのドルフィンスイム
初めてのドルフィンスイム
はじめてのドルフィンスイム

水面下に広がるのは、10頭ほどのイルカの群れ。悠々と通り過ぎていく光景でした。ふと娘の顔をみても無表情だったので、あれ?「見た?」と聞くと大きく頷く。するとまた船長さんの声が。「上がってください!」の合図で船に戻ったり、「いるよ!」の声で入水したりの繰り返しでしたが、娘の会話も少しづつ増え、「イルカの赤ちゃんいた」「ツノダシがいた」「大きかった」と、少し笑顔も戻ってきたのでした。開始から1時間程で慣れてきたようで、ほっと一安心。

しかし、神様はまたもや試練をあたえます。終了間際、急に激しい雨が振り出し遠くで雷の音が。船長さんの引き上げの合図とともに、大きく上下し帰港する船に娘、ついに「船酔い」でダウン&「寒さ」に顔も暗く…。最後はつらい思いをさせてしまいましたが、宿へ向かう車で「もっとやりたかった。」と話をする娘に救われました。(※水中での娘とイルカの写真、撮りたかったのですが手をつないでいた為撮影できず…。皆さまは是非リアル体験で!!)

宿に戻って追いついた感情。

宿に戻った後は、2時間ほど仮眠をとり、注文していた「ふくまる商店」さんの「のり弁当」を受取りに。ランチでエネルギー補給&名物ジェラートで完全回復。イルカが見える丘まで散歩したり、部屋では海で見たイルカや魚の絵を描いたりと、いつもと違うゆったりとした濃い時間はあっという間に過ぎていきました。もちろん楽しみにしていた宿の夕ご飯もとても美味しかったです。

夜は月を見ながら「なんで月は丸くなったり、半分になったりするの?」「なんでイルカは…」とたくさんの刺激に触れ、自然に関するたくさんの疑問がでてきたようで。就寝は10時頃。この体験は間違いなく自分の人生の宝物となり、幸せな時間だったことは間違いありません。

娘も渋滞していた情報を少しずつ処理しているかのように、色々思い出しているようでした。

御蔵島風景
御蔵島のり弁当
御蔵島就航率着岸率
御蔵島の月ドルフィンスイムを終えて
「御蔵島ならでは」の連続。

この旅の目的「イルカと泳ぐ」ですが、御蔵島の魅力はそれだけではありません。
最終日はお気に入りの「いるかが見える丘」に行きたいというので朝食前に海を見にお散歩へ。「今日は三宅島が見えるね」「まだ流れが早いね」「雲が凄いね」と話しながら海を見ながら歩いていると….?

「あれ!?」「イルカだ!?」なんと陸からイルカを発見。 しかも群れで。そして赤ちゃんイルカもお腹を向けて泳いでいました。(いや本当です!!)
ほくほくした気持ちで宿にもどり朝食を食べ、お腹も心も大満足。さらに今度は釣りがしたいというので港へ。ビビビッというあたりはありましたが、結局魚は釣れませんでした。今度は予想だにしなかったお客さんが登場…!?

「なんか枯れ葉浮いてない?」「何?エイ?」いや、あれは…。
カメさんです!垂らした釣り糸のすぐ近くに呼吸をしに上がってきたアオウミガメに遭遇。

日差しも強くなってきたので、釣りは1時間くらいで切り上げ、港からの急坂を汗を垂らしながら登り、本日2度目のふくまる商店さんでクリームソーダを頂きました。(超回復!)

御蔵島ウミガメ
ふくまる商店クリームソーダ
帰りの船。

楽しい時間はあっという間に過ぎていき、帰りの船の中、娘がこんな事を言いました。

「なんで行くときは1日かかったのに、帰りはすぐつくの?」

言われてみれば旅行ってそう思う事ありますよね。時間的感覚が違うというか、濃縮された体験の記憶というかそれが終わると、ふわっと緩んで気が付いたら家に。みたいな。

きっと楽しかったんだと勝手に解釈することにします!
こんな感じで色々と準備をし、ポイントを抑えれば(お子様の余裕をつくる親の泳力含む)御蔵島のドルフィンスイムも天候さえどうにかなれば子供と一緒に楽しめる事がわかりました。

竹芝桟橋につくまではレストランで食事をしたり、船外にでて海を見たり、最後まで楽しめた2人旅となりました。

橘丸からの東京湾
最後に。

太古の自然を多く残す御蔵島は絶海の孤島と呼ばれ、快適とは言えない長い船旅となる可能性があります。
子供を連れていく旅としては、不安が頭をよぎるのは当然のことです。

しかしながらその「行きづらさ」が人を寄せ付けず「自然」そのものを残してきたのもまた事実。

その自然に触れ、こどもに強く、たくましく、賢く生きてもらう為に色々と経験させたいというのも親の強い気持ち。最悪のケースも考えつつ準備をした上で計画することを強くおすすめします。

ガイドさんから言われたルールを守ることは大前提として、自然が相手のアクティビティに絶対はありません。

浮力体を付けて水中をのぞくことができれば可能と言えば可能ですが、より楽しむ為には、「助けを必要とせず」「自力で何とかできる」スキルを増やしておくことに越したことはありません。

ライフジャケットなどの道具の力を借りるのもまったく問題ありません。下見旅行を大人だけでしておくなど、やりすぎかなと思うくらいの「準備」も楽しみましょう!

エーキューエー(AQA) 子供用 ライフジャケットキッズ KA9026

お子様とマリンスポーツや川など水辺アクティビティを楽しむための必須アイテム。
肩、腹・腰の3点で調整可能で様々な体型の方にしっかりとフィットし、RAC認定済みで安心安全。

~まとめ~

・御蔵島を含め、船旅、島旅はリゾートの旅行とはちょっと違う。
・事前に子連れであることを連絡する
・小学3年生くらいが楽しめる?
・子連れは水温が暖かい7月中旬から9月がおススメ
・足がつかない場所で自力で泳げる
・自信がない場合はライフジャケットを着用
・より楽しむ為に親子で体力をつけておく
・船酔い対策は必須
・寝れるときは寝る
・天気はどうしようもない
・リスクに対する準備を怠らない
・脱メディア。いつもと違う体験に集中
・旅程の中、関わった人への感謝
・軽食の準備
・顔をみて話をする時間は大切
・お腹がすく
・緊急時の対応や病院の連絡先を確認しておく
・イルカ含め、生活圏にお邪魔しているという気持ちを忘れない
・やっぱり御蔵島が好き

一般社団法人 御蔵島観光協会
営業時間/8:30~17:00(3月15日~11月15日迄は無休、冬期土日祝日休み)

〒100-1301 東京都御蔵島村
TEL:04994-8-2022
FAX:04994-8-7070
mail:info@mikura-isle.com

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