海の生き物の絵って意外と難しいですよね。デフォルメされたかわいいイラストは見て描くことができますが、リアルなイラストはバランスがとれなかったり、形がゆがんでしまいがち。でも実は生き物の特徴はポイントを押さえることができれば、「それっぽく」見せることができるのです。
STEP.1 マクロ(全体・抽象的)でみる
バランスや形が崩れてしまう原因には、そもそもその生き物のイメージや模写する対象が、頭の中で固まっていない事が原因だったりします。まずは図形としてでもいいので、ざっくりとした「カタチ」を素材として絵の中に落とし込み、準備をしていきましょう。
クジラを知らない人はいませんが「口や体が大きくて潮を吹く」「クジラってどんな形だっけ?」となかなかイメージできない人も意外と多いのではないでしょうか。
STEP.2 ミクロの視点で削りだす
ざっくりとした形状を描きだすことができたら、今度は「ラフ」と言われる大まかな「ライン」を描いていきましょう。「体のここはこんな形」「頭はこんな形」など、部分的な形状を描きだして、石膏から掘り出すように、形状を「削りだして」いきましょう。
クジラを描く時のポイントは、「逆三角形の体」「翼のように大きな胸びれ」「中央から尾びれまでの間に背びれ」「大きなお腹」「太めの尾根」です。※動画参照
STEP.3 マクロ・ミクロの視点を切り替えて調整する
「全体で見る」→「全体の詳細を形どる」→「部分的に見る」→「部分的な詳細を形どる」のサイクルを繰り返しながらイラストの精度を高めていきます。全体を見る→詳細を描く→整える の繰り返しです。
ポイントは、「体と比較して細い頭」「凹凸のある頭とひれ」「口から腹部にかけて蛇腹状のしわ」「太い鞭のようなしなやかで力強い尾根」です。※動画参照
STEP.4 色をのせていく
画材や描法にもよりますが、「リアル」なイラストは濃い色から薄い色を(盛っていく)と立体構造をイメージしやすいと思います。「リアル」には陰影という表現が伴うことも多く、形状により生まれる濃淡を色の重なりで表現するイメージです。
動画で見る
最後に
はじめから「完璧」な形状のラインを求めて細かく描くと、バランスが崩れた時に描き直す負担も大きく「うまくかけない」→「面倒だ」→「自分は下手なんだ」→「おもしろくない」→「描きたくない」という負のスパイラルに陥りがち。モチベーションの大切さや絵を描く楽しさを子供のうちから知ることも、ロジカルな思考を育むことに繋がるのかもしれませんね。そして慣れてくれば、ラフを下書きせずとも、描けるようになってきます。是非楽しんでチャレンジしてみてくださいね。