SDGs14番目の目標「海の豊かさを守ろう」

海イメージ

最近、テレビなどで「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」という言葉をよく聞くようになったと思いませんか? SDGsとは、国連加盟193か国が2030年までに達成することで合意した17の「持続可能な開発目標」のことです。

そのなかの14番目に「海の豊かさを守ろう」という目標があります。昨今、日本でもレジ袋が有料化されたり、プラスチック製だったショッピングバッグやストローが紙製の物に置き換わったりと、「脱プラスチック」の動きが活発になっています。その背景の一つとして、いま世界的に海洋プラスチックごみが大きな問題となっていることがあげられます。

海洋プラスチックごみって?

 私たちが普段使用しているペットボトルやレジ袋などのプラスチック製品は、適切に処分されないとやがてごみとなって海に流れ出てしまうことがあります。
これを「海洋プラスチックごみ」と呼びます。プラスチック製品が普及したことでその量は急速に増え、現在は世界中で年間約800万トンも海洋プラスチックごみが発生していると言われています。このまま増え続けると、30年後には海洋プラスチックごみの重量が魚の重量を上回る可能性があります。

海洋プラスチックごみが与える影響

 プラスチックごみを餌と間違えて海洋生物が飲み込んだ場合、体内を傷つけたり、病気になって死んでしまったりすることがあります。また、海洋プラスチックごみが漁船の操業の妨げとなる事例も発生してします。このような漁業や養殖業といった海と直接関わる産業への影響のほか、ごみによって海岸が汚れることで観光業への影響も報告されており、損失額はアジア太平洋地域だけですでに年間1000億円以上にのぼっていると言われています。

また、ごく小さなプラスチックの粒子(マイクロプラスチック)が海洋生物の体内に取り込まれ、蓄積する可能性も指摘されています。そのような海洋生物が食用として市場に出回れば、私たち人間の体内にもマイクロプラスチックが入り込んでしまいます。我々が排出した海洋プラスチックごみは海洋生物を苦しめるだけでなく、食物連鎖の先にいる私たち自身に実害となって返ってくるのです。

プラスチックが悪いの?

 これまで見てきたように、海洋プラスチックごみは海洋生物や私たちの暮らしに多くの悪影響をもたらします。しかし、ここで勘違いをしてはいけないのは、悪いのは「プラスチック」ではなく「プラスチックごみ」だということです。ごみにならなければ、プラスチックは軽くて丈夫で、安価で、加工がしやすい、非常に便利な素材です。だからこそ、私たちの生活に欠かせないほど広く浸透してきました。
そして、プラスチックには忘れてはいけないもう一つの特長があります。それは、「何度も使える」ということです。私たちはプラスチックがあまりに身近で手軽なために、「プラスチック=使い捨て」という誤った認識を持ってしまいました。私たちがまず脱却しなければならないのは、プラスチックそのものではなく、プラスチックに対する誤った認識かもしれません。

いま、私たちにできること

 身の回りを見渡してみると、いかに私たちの生活がプラスチックであふれているかに気がつきます。突然「プラスチック製品を使ってはダメ!」と言われたら、ほとんどの人はそれまでと同じ暮らしをすることができなくなってしまうでしょう。しかし、プラスチック製品を海洋プラスチックごみにしないことなら、私たちの意識一つですぐに実践することができます。

「一度使っただけで捨てない」
「使い終わったらリサイクルに出す」
「リサイクルできないものは適切に処分する」

いくらSDGsだ、プラスチック削減だと言ってレジ袋を有料化しても、それを使う私たちが道端に捨ててしまっては何の意味もありません。残念ながら、日本では「脱プラスチック」や「SDGs」が一種のプロモーションのように商業利用されているきらいがあります。しかしながら、そういった一過性の流行りに終わらせることなく、本当に「持続可能な」対策とは何なのかを私たちは考えていかなければなりません。海に囲まれた島国に暮らす私たちには、海洋プラスチックごみの問題に率先して取り組むべき責任があります。

海の豊かさを守るために私たちに何ができるのか。これを機に、一緒に考えてみませんか?